関西の議論

ジェンダー・フリーと一緒にするな! 保守政治家・稲田朋美氏が先陣、LGBT支援の真意

 稲田氏にLGBT支援を働きかけ、きっかけをつくった一人が、兵庫県宝塚市の大河内茂太市議(45)=自民党=だった。大河内氏は昨年6月の市議会で、市が検討していたLGBT支援をめぐって「『同性愛者が集まり、HIV感染の中心になったらどうするんだ』という議論も市民から起こる」と発言。誤解を招きかねないとの批判を受けて発言を撤回した後、繁内代表からLGBTの現状や課題を学び直し、今年1月に稲田氏に対策の必要性を直接訴えた。

 その流れを受けて自民党の特命委も「考え方」の中で「保守政党たるわが党が果たすべき役割は大きい」とうたいあげ、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会」「当事者が抱える困難の解消」を目標に設定。目指すべきものとして「カムアウトできる社会ではなく、カムアウトする必要のない社会」を掲げた。

 どういう意味か。

 繁内代表は「大多数の当事者は人権問題だととらえているものの、オープンな問題になることを望んでいない」と解説する。

 繁内代表によると、LGBTなどの問題を抱えている当事者は人口の3~5%だ。同性カップルを結婚に相当する関係と認める全国初の「パートナーシップ証明書」を昨年4月から発行している東京都渋谷区の場合、この1年間で申請に訪れたのはカップルは8組。より手軽な宣誓の受領証交付を昨年11月に始めた同世田谷区は約半年で28組(4月28日現在)だった。

保育園、小学校から教育?

 LGBTをめぐっては、「同性愛を助長し、子供に間違った価値観を与える」という危惧や「婚姻を定めた憲法24条に違反する」という意見が根強い。念頭にあるのは、「同性パートナーを認めると現在の家族制度や結婚制度が崩壊してしまう」という考えだ。

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