ビジネス解読

「スタバの氷は多すぎる!」暴利むさぼると米女性が5億円超の損害賠償を請求 言いがかりなのか? 真理なのか?

 この訴えに対し、スタバ側は「お客さまには、冷たい飲み物に氷が必須であることうを理解していただいています」とした上で、「飲料の調整に満足いただけない場合は、喜んで作り直します」とコメント。訴えには根拠がないと反論している。

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 米国ではこれまでも数多くのトンデモ裁判が起こされており、今回も「難癖」や「言いがかり」の類と受け止められている。ただ、スタバといったコーヒーチェーンの「利益構造=カラクリ」という点では興味深い。

 スタバ側は、「不満なら作り直す」としているが、作業手順に従っている限り、氷の量が減ることはあっても、飲み物の量が増えることはない。例えば、「氷少なめ」と注文しても、その分、カップの中の全体の量が減るだけに過ぎない。仮に「氷なし」(それはもはやアイスドリンクとはいえない)と注文すると、黒い線のところまで飲み物が注がれたカップが出てくることになる。

 アイスとホットのカップの大きさが同じなら、当然、氷の分だけアイスの方が飲み物の量は少ない。つまり、アイスの方が原価率が低く、利益率が高いということになる。価格設定が高ければ、さらに利益率は上がる。「スタバはアイスドリンクでより大きな利益を得ている」というピンカスさんの主張はあながち的外れではないのである。

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