石原慎太郎 日本よ

低迷する日本経済の活路は兵器の国産化しかない 今こそメードインジャパンの飛行機を

 いずれにせよ国家の主権の確立のためには歴史が証明しているように、全ての兵器を国産化することが基本なのだ。そして日本は優にその能力を備えている。アメリカが密(ひそ)かに開発しようとしている核兵器を超えた次世代戦略兵器コンベンショナル・ストライクミサイルのような兵器は恐らくアメリカを凌(しの)いで精巧な物を日本こそが完成出来る筈(はず)だ。

 例えば観測衛星を打ち上げるロケットに取り付けられるブースターは通常は二基だが、日本の場合には四基もある。アメリカのロケットの打ち上げは失敗続きだが日本の内之浦から打ち上げられるロケットに失敗はない。ことほど左様に日本の宇宙開発の技術は他を凌いでいる。かつて小惑星の砂を採取して無事帰還した『はやぶさ』のような技術はアメリカを含めた他国から見れば垂涎(すいぜん)のものに違いない。

 航空機産業に限らず我々は己が保有する高度な技術を高ぶる事なく熟知し、この混沌(こんとん)の時代に『天は自ら助くる者をのみ助く』という歴史の公理を信じて進まなくてはなるまいに。

会員限定記事会員サービス詳細