石原慎太郎 日本よ

低迷する日本経済の活路は兵器の国産化しかない 今こそメードインジャパンの飛行機を

 中曽根内閣時代に三菱重工が発案したF型次期支援戦闘機の計画をアメリカは圧力をかけて潰してしまった。これは空中戦でのドッグファイトでの宙返り半径が従来の半分という画期的なものだったがアメリカの圧力で潰され、F15を日米だけで改良使用するという姑息(こそく)な案にすりかえられてしまった。

 世界化現象の中で経済が低迷する日本経済の活路は戦時法制が合理化された今、兵器の国産化以外にありはしない。軍事産業なるものはジャンルを超え他のいかなる産業より底辺が広いのだ。

 その中でもアメリカが一番恐れて強引に抑圧してきた航空機産業の国産化こそが彼等に向かって胸を張り日本の主張を遂げるための有効な手立てに他なるまい。アメリカの高度航空機たとえば戦闘機の操縦席のほとんどが日本製であることを多くの者が知らずにいる。

 かつてクリントン政権の後期にアメリカの技術調査団がやってきて、日本の関連企業の生産工程の秘密部分にまで首を突っ込み、結局これは日本産に依存する以外にあるまいとの結論で引き揚げていったものだ。彼らの強い関心はコックピットの器材を固定するダッシュボードのセラミック、そして数多い計器の中に入れるクリスタルリキッドだったがその生産工程と器材の質度の高さは自前では不可能という結論で引きさがったのだ。

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