浪速風

平凡パンチの時代

「平凡パンチ」が誕生したのは、東京五輪が開催された昭和39(1964)年である。高度経済成長で豊かになった時代を象徴する、初めての若者向け男性週刊誌だった。創刊号は、その年の第2回日本グランプリに登場したポルシェ904を特集して、62万部を売り上げた。

▶ポルシェ904を駆って優勝したのが式場壮吉さんである。ドイツの名車と日本車のプリンス(現日産)スカイラインGTとの息づまる競り合いは、モータースポーツ史上の語り種だ。レースを舞台に自動車メーカーは開発競争の火花を散らし、レーサーはスポーツカーに憧れる若者たちのヒーローだった。

▶式場さんの訃報で、あの時代を思い出した。車とファッション、そしてヌードを売り物に、60~70年代の若者文化を牽引(けんいん)した平凡パンチは、やがて役割を終えたように休刊する。最近の若者は車にあまり興味がないようだ。売れるのは実用的な軽自動車だが、それも燃費不正が相次いでは…。