18日の党首討論は、野党幹部がそろって来年4月に予定する消費税再増税の先送りを求める展開となった。民進党の岡田克也代表は初めて先送りを公言し、「次の引き上げ」までに必要な具体案も示した。野党は夏の参院選で、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の失敗だとして攻撃する構え。選挙戦を目前に控え、消費税をめぐる神経戦が激しくなってきた。
「消費が力強さを欠いている中で、もう一度、消費税の引き上げを先送りせざるをえない状況だと思う」
岡田氏は党首討論で、先送りをにじませる首相の機先を制する形でこう言及した。先送りの条件として、(1)平成31年4月に10%に引き上げ、32年度の国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標は堅持(2)行財政改革の確実な実行(3)社会保障の充実策は赤字国債を財源に来年4月から予定通り実施(4)与党が合意した軽減税率制度の白紙撤回-の4項目を挙げた。
民主党政権時代に担当相として消費税増税を決めた岡田氏はこれまで、増税先送りの明言を求める党内の声に対し、あいまいな態度を続けていた。財政再建派を自任するだけに、安易な増税先送りには抵抗があったとみられる。
だが、首相が先送りの方針を固めていることを逆手に取り、参院選前の最後の見せ場で「アベノミクスの失敗」を追及する方向にかじを切った。首相の正式発表の前に税の新たな制度設計案を示すことで、責任野党の一面をアピールする狙いもあったとみられる。