【産経抄】中国などから大量のごみ 深刻な海洋汚染、プラスチックスープの海 5月17日(1/2ページ) - 産経ニュース

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中国などから大量のごみ 深刻な海洋汚染、プラスチックスープの海 5月17日

 作家の新井満(まん)さんは昭和60年に、太平洋の真ん中に位置するマーシャル諸島を訪れている。当時、電通の社員だった新井さんの旅の目的は、サンゴ礁の海をビデオ撮影することだった。

 ▼海の底で、太陽光に反射して宝石のように光るものを見つけた。潜ってみると、ビールの空き缶だった。世界一美しい海でさえ、環境破壊が進んでいる。その衝撃を小説にしたのが、デビュー作となった『サンセット・ビーチ・ホテル』だった。

 ▼30年後、海洋汚染はますます深刻な問題になっている。最近特に注目されているのが、世界の海を漂流するプラスチック製のごみである。流木などのように、微生物によって分解され、自然界に戻るわけではないから、始末が悪い。2050年までには、魚の重量を超えるという試算さえある。

 ▼ごみは、紫外線に当たったり波にもまれたりして、やがて「マイクロプラスチック」と呼ばれる5ミリ以下の微細な破片になる。エサと間違えて小さな魚が食べ、その魚をより大きな魚が食べる。食物連鎖の末に、プラスチックに添加された有害物質が蓄積されていく。海洋生物だけではなく、それらを口にする人間への重大な脅威になりつつある。