追悼・蜷川幸雄さん死去

常にフェアに接し、愛情を注いで下さった。だからどんなに怒られても僕は好きだった 「もっと戦え」激励に号泣 演出家・藤田俊太郎

 そのとき、お借りした本の一節を引用して、筆をおこうと思います。『アルチュール・ランボオ10代の時の手紙』です。

 〈彼が未知のものに到達して、気も狂わんばかりになり、ついに自分の見たヴィジョンの見分けすらつかなくなってしまったとしても、まさに彼は、それらのヴィジョンを見たことになるのです。前代未聞の、名づけようもない事象を跳躍してゆくその運動の過程で、くたばったところが何でしょう〉

 僕にとって、蜷川さんは手の届かない美しい永遠のランボオです。僕は(彼に憧れる詩人)ヴェルレーヌ。輝き続ける永遠を追い求めて、明日からも大好きな演劇をつくっていきます。

 本当にありがとうございました。(寄稿)