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県歌「信濃の国」を歌えぬは長野人にあらず? 9割超が歌える異例の浸透度の謎に迫った…

【ローカルプレミアム】県歌「信濃の国」を歌えぬは長野人にあらず? 9割超が歌える異例の浸透度の謎に迫った…
【ローカルプレミアム】県歌「信濃の国」を歌えぬは長野人にあらず? 9割超が歌える異例の浸透度の謎に迫った…
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 ♪信濃の国は十州に…。長野県民が誇り、愛してやまない県歌「信濃の国」の一節だ。県内開催のイベントや自治体・主催の行事、学校の運動会、果てはカラオケスナックでもこのフレーズを頻繁に耳にする。信州の人々は、国歌「君が代」の如く「県民なら誰もが歌える」と自負し、県の調査によれば「歌える」と回答した県民は9割強に上る。この結果に「歌えない1割」は非信州人扱いされるほどだ。なぜ、これほどまでに浸透しているのか。自らの出身地の「県歌」など存在すら預かり知らない記者がその謎を追った。(長野支局 三宅真太郎)

 平成27年の年明け。北陸新幹線の金沢延伸開業を間近に控えたJR長野駅の新幹線ホームの発車メロディーが、それまでの電子音から県歌「信濃の国」に切り替えられた。

 「これは大ニュースだ」と勇んで取材に向かい、利用客にインタビューすると、素直に喜んでいたのは県民だけだった。

 長野市の中学に通う男子生徒は「なじみのある歌だし、長野らしくて良いと思います」と新たなメロディーを歓迎していた。これに対し、仕事で長野市を訪れた東京都三鷹市の会社員の男性は「初めて聞いた。なんの曲かは分からない」といぶかしげだった。

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