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韓国軍悩ます「ヘリママ」…徴兵息子に過保護の極み「お母さんが中隊長に言ってあげます!」

 中隊の携帯電話には「息子をいじめる先輩兵士がいないか見張ってほしい」「今日の夕食のメニューはなにか」との問い合わせメールが集中し、担当兵士は「自分の仕事ができない」とこぼすほどだ。こうした母親は、息子が心配なあまりヘリコプターで周囲を旋回しつつ監視するようだとのイメージから「ヘリママ」と呼ばれている。

 そして新兵教育係には、こうした母の声を無視できない事情があるという。

息子におやつを渡す父

 悪夢のような銃乱射事件からまだ2年足らず。新兵がケガをしたり、あげく隊内で「いじめられた」などという声が公になれば、軍上層部から「新兵の訓練部隊すら管理できない無能」との烙印を押され、昇進がついえかねない。結果、教育係の兵士たちは徴兵された新兵の二等兵を「二等星」とあだ名するという。星二つは少将の階級章で、「二等星」は「少将並みに気をつかって接しなければならない」との皮肉だ。

 こうした過保護は母親だけではない。朝鮮日報(電子版)によると、徴兵で京畿道の部隊に入隊した息子を持つある父親は、息子の30キロ行軍訓練に車で同行し、休憩時間にフライドチキンやパンなどのおやつを息子に渡しながらついてまわったという。かつての厳しい徴兵期間を経験した層からは「まるで国防幼稚園だ」と嘆く声も出ている。

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