韓国軍が国防幼稚園になったとの嘆きが、韓国国民の間で広がっている。徴兵された息子を気遣う母親が、軍に対し「冬に山登り訓練なんてありえない」「息子がいじめられていないかみてほしい」などと注文をぶつけ、過保護ぶりがエスカレートしているためだ。
電話とネットで「開かれた軍隊」にしたが…
韓国では、男性は19~29歳までに約2年間の兵役に就く義務があるが、2014年6月に大問題が発生した。徴兵された下級兵士(陸軍)がいじめられて逆上し銃を乱射、5人を殺害する事件が発生した。韓国紙の中央日報(電子版)などによると、大衆から批判を受けた韓国軍は同年9月に「開かれた兵営文化を作る」と宣言し、2中隊に4台の割合で受信専用の携帯電話の配備を始めた。
さらにインターネット上に、軍部隊と兵士、父母が双方向で意見交換できる交流サイトを作成。徴兵された新兵らが「きょうも元気に頑張っている」様子を写真や文章で紹介するなど、開かれた軍隊をアピールし始めた。その結果、韓国版モンスターペアレントともいうべき「ヘリママ」が誕生した。
「夕食のメニューは?」
朝鮮日報(電子版)などによると、交流サイトで息子から「訓練で冬山に登って、転んでけがをして治療を受けた」と知らされた母は「冬に山に登るなんてとんでもない。お母さんが中隊長に話をします!」と息巻いた。また、軍の公開写真を見た別の母親は中隊長に「私の息子の肩に湿布がはってある。なぜケガをしたのか」と問い合わせ。いじめを受けたのでは、との心配だったが、中隊長は「昨日、サッカーをして痛めただけ」と返答した。