海上自衛隊と米印両海軍が、6月中旬に沖縄周辺海域で共同訓練を行うことが15日、分かった。3カ国が艦隊行動を共にすることで、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海で海洋進出を強める中国を牽制する狙いがある。政府関係者が明らかにした。
海自はヘリコプター4機が同時に離着艦できる大型護衛艦1隻のほか、「P3C」哨戒機や「SH60K」哨戒ヘリ、救難飛行艇「US2」などを投入し、対潜戦や対水上戦、捜索・救難訓練などを行う見通し。米国からは原子力空母の参加も検討されている。米印共同訓練「マラバール」に日本が参加する形で、「訓練規模は昨年よりも格段に大きくなる」(海自幹部)という。
尖閣諸島が存在する沖縄周辺海域では、中国公船による領海侵入が頻発。昨年末からは、中国海軍のフリゲート艦を転用し、機関砲とみられる武器を搭載した海警局の船が送り込まれるなど、中国による軍事的圧力が高まっている。
さらに中国は、東シナ海の日中中間線付近のガス田で海洋プラットホームを一方的に増設。将来的にレーダー施設や補給拠点を置くことで、東シナ海が中国の軍事拠点となる懸念も出ている。