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海の治安を守る海上保安庁が、巡視船で働く海上保安官の食事「船(ふな)飯(めし)」の代表的なレシピをまとめている。宮城の牡蠣(かき)丼や徳島の阿波牛タンシチューなど地元の特産物を生かしたメニューや、北海道のスープカレー、奄美大島の鶏飯といった名物・郷土料理もある。いずれも、海上保安官が自ら考えて調理する。海猿たちの胃袋を満たす「船飯」に熱い視線が集まっている。
特産物を活用
日本列島を取り巻く海の治安を守る海上保安庁で、海産物を素材にしたメニューを出すのは、宮城海上保安部の巡視船「くりこま」。管内にある松島の特産である「松島牡蠣」を甘辛いみそダレで煮込んだ「牡蠣丼」は、「プリッとした食感と甘辛い味付けでご飯が進む」と船内で評判だ。
田辺海上保安部の「こうや」では、和歌山・田辺湾名産の釜揚げしらすに紀州みなべの南高梅を乗せたしらす丼を、2年前まで潜水士だった北崎善男・主任主計士(41)が現場への思いを込めて調理する。
海の幸ばかりではない。徳島海上保安部の「よしの」では、全国でも珍しい女性シェフ、槌屋晶子・主任主計士(51)が「阿波牛のタンシチュー」を用意。「船が揺れるときは危険なので揚げ物でなく煮物にするなど、船ならではの工夫が必要です。地元ならではの食材を味わってほしい」とこだわりを語った。