福島第1原発指定廃棄物 解除ルール、環境省と協議へ 千葉市、候補地返上の思惑も膠着

 千葉市は12日、東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の指定解除のため、環境省と17日に協議を行うと発表した。指定廃棄物は県内では10市で保管されているが、協議開始を申し出た市は初めて。千葉市は、保管分の指定解除により、指定廃棄物の県内処分場候補地の返上につなげたい考えだが、環境省は「候補地を選定し直すことはない」と明言しており、候補地をめぐる議論は今後も膠着(こうちゃく)状態が続きそうだ。

 4月28日公布の環境省令では、国か保管自治体が放射性セシウム濃度を測定し、1キロ当たり8千ベクレルの基準を下回れば指定を解除した上で、一般ごみと同様に処分が出来るという新ルールが示された。指定解除後も、処分費用は国が負担するとしている。

 現在、県内では10市に計約3690トンの指定廃棄物が保管されている。だが、同省の推計では事故から5年がたって濃度が低下し、同基準を上回る指定廃棄物は計約2500トンまで減っているとされる。保管市ごとの量は明らかにされていないが、千葉市にある7・7トンの指定申請時の濃度は1キロ当たり8千~1万ベクレルで、現在は多くが基準を下回っている可能性が指摘されている。

 同市では東電千葉火力発電所(中央区)の敷地が県内処分場の候補地に選ばれ、昨年12月に熊谷俊人市長が受け入れ拒否の姿勢を示した。市は候補地の選定基準の一つである保管量を減らすことで、受け入れ拒否の姿勢を改めて明確にする考えだ。

 これに対し、同省の指定廃棄物対策チームは「あくまで選定作業をした時点の保管量などで候補地を決めている。その後に減ったからといって、選定し直すことはない」と明言する。

 熊谷市長は12日の定例記者会見で「環境省の理屈は一定程度理解する。だが、指定廃棄物がないとなったときに、ゼロのところに(候補地を)持ってくるのは、市民から理解は得られない」と述べた。

 一方で、他市からは解除ルールの活用に慎重な声も上がる。県内で最も多い約1064トンを保管する柏市は、指定申請時に濃度が高かったこともあり、秋山浩保市長は「測ってもあまり下がってはいないのではないか。コンクリートボックス(ボックスカルバート)に密閉状態で保存されており、測定は困難だ」と話す。

 処分先確保に対する懸念もあり、柏市に限らず、指定廃棄物の一部がすでに基準を下回っていると見込まれていても、千葉市以外で同省に協議を申し込む動きはみられていない。

 森田健作知事は4月28日の定例記者会見で、解除ルールについて「もっと分かりやすく示してほしい」と注文を付けた上で、同省が1カ所集約の方針を変更していないことを念頭に「(千葉市と)話し合いをしっかりやることが大事だ」などと述べた。

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