福島第1原発の廃炉に生かされるか…仮想制御棒内のホウ素解析に成功 京大チーム

 原子炉の制御棒に使われる炭化ホウ素が高温で溶けてできた溶融デブリ(固化物質)の内部にあるホウ素分布の解析に、京都大の研究チームが成功した。東京電力福島第1原発の廃炉作業にも役立つことが期待される。

 京大エネルギー理工学研究所の笠田竜太准教授(エネルギー科学)らの研究チームが12日発表した。解析結果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。

 実験では、模擬作製した炭化ホウ素制御棒を1250度の高温下で溶かし、その後冷えて固化した溶融デブリを実験室で解析。溶融デブリの内部に炭化ホウ素の粒が残っている状態などを確認した。

 こうした解析は、これまで「スプリング8(エイト)」(兵庫県佐用町)のような大型放射光施設での検証が必要だった。研究チームは日本電子(東京都昭島市)が開発した電子顕微鏡用の軟X線発光分光装置を導入。実験室内での解析に初めて成功したという。

 今回の研究成果について、笠田准教授は「福島第1原発の廃炉作業で、制御棒の取り出し方針などを決めるうえでの基礎研究になるのではないか」と話していた。

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