名物「よもぎだんご」の味守る 津山の手作り工房

 ヨモギの若芽が出る時期となり、「よもぎだんご」づくりが「手づくり工房 志家(こころや)」(津山市山方)で行われている。同市の観光名所「横野滝」のかつての名物で、同工房責任者の岡田志のぶさん(53)が母から受け継いだ味。岡田さんは「真心こめて、これからも手作りの味を届けたい」と話している。

 岡田さんが、本格的にだんご作りを始めたのは平成26年。主婦業の傍ら自宅の一室と玄関前を工房にし、地元で摘み立ての青々としたヨモギやクマザサ、手づくりのあんこを使い、無添加・無着色で作る。

 だんごは横野滝のふもとで、母親が経営していた食事店「紅葉亭(こうようてい)」(同市上横野)で、かつて販売されていた。3年前に母親が引退し、経営者が変わってからも、観光客らからは「また食べたい」という声が相次いだと言う。

 岡田さんは「子育てを終えた今なら」と背中を押される形で、だんごづくりを開始。母親から手ほどきを受け、名物の味がよみがえった。

 毎朝4時に起床し、60~70個のだんごをつくる。昼間はヨモギを茎から葉だけをとるつむぎの作業に追われる忙しさ。それでも岡田さんは「『おいしかったよ』の声が何よりの励みになる」と笑顔で話す。

 よもぎだんごは1パック3個入りで400円(こしあん入りは450円)。「地産地消センター サンヒルズ」(同市大田)、「JAつやま 燦燦(さんさん)つやま」(同市林田)、「物産館 夢広場」(鏡野町円宗寺)で販売されている。予約も可能。

 問い合わせは岡田さん(電)090・3375・5568。

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