40代女性に逆転無罪 仙台高裁、犯人隠避の1審破棄

 知人男性の酒気帯び運転を隠そうと自分が運転していたと虚偽の説明をしたとして、犯人隠避罪に問われた県北に住む40代の女性被告の控訴審の判決公判があり、仙台高裁の嶋原文雄裁判長は「男性が運転手であることについては合理的に疑いが残る」として、懲役1年(執行猶予3年)を言い渡した昨年1月の仙台地裁古川支部判決を破棄、無罪を言い渡した。

 女性の車は平成25年4月、車で県北のごみ集積所に衝突。男性は立ち去った。

 判決で嶋原裁判長は、運転席のエアバッグから検出された体液のDNA型が、女性のものとしか一致しなかったことについて、「男性のDNA型が検出されなかったことに合理的な説明がない」と指摘した。

 事故をめぐっては、付近住民の「男性が運転席から降りてきた」という目撃証言などから、女性が男性の酒気帯び運転が発覚するのを恐れて、「自分が運転していた」と虚偽の説明をしたとして逮捕、起訴された。1審判決は運転者は男性だと認定していた。

 男性は「事故後、女性がぼうっとしていたのでエンジンを切るために運転席に行った」と証言していた。

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