【産経抄】フィリピン人はカリスマ好き 5月12日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

フィリピン人はカリスマ好き 5月12日

 フィリピンの大統領選挙を制したドゥテルテ氏(71)は、過激な言動から「フィリピンのトランプ」と呼ばれてきた。もっと似ている人物も思い浮かぶ。

 ▼1998年の選挙で圧勝した、エストラダ元大統領である。エストラダ氏はもともと映画俳優だった。役柄は、弱きを助け、強きをくじくヒーローである。そのイメージが、国民に広く受け入れられた。

 ▼俳優ではないドゥテルテ氏も、米刑事映画「ダーティハリー」の主人公に例えられる。南部ミンダナオ島のダバオ市長を長く務めた氏は、全国最悪だった治安を劇的に改善させた。「犯罪者は皆殺しだ」などと公言して、凶悪犯を追い詰める姿が、強面(こわもて)刑事ハリーの姿と重なるからだ。

 ▼ただ、外交や経済政策では不安も残る。特に南シナ海の問題では、中国に対して強硬策をぶち上げたかと思えば、対話を模索する姿勢も見せるなど、はっきりしない。国民の期待を一身に受けたエストラダ氏は残念ながら、単なるバクチ好きの飲んだくれだった。不正の疑惑ばかりがふくらみ、10万人の民衆デモによって退陣に追い込まれる。ドゥテルテ氏が大統領として、まったく違う道を歩むことを祈るばかりである。