正論

場違いだった三木首相の言動…日本はサミットで経済的な国際協調の成果を示せ 学習院大学学長・井上寿一

 ランブイエ城での日本代表団は場違いな存在だった。より正確には三木武夫首相(当時)の存在が場違いだったと言うべきだろう。第1回サミットの日本代表として、三木は張り切っていた。サミットの場で三木は、欧米諸国に対して日本独自の立場を主張することに熱心だった。三木は社会主義国との関係や非産油途上国の「窮状」にまで言及した。

 三木の言動に困惑する宮崎の一言が新聞に漏れた。「東南西北は端パイだ」。宮崎はマージャンにたとえて東西問題や南北問題を論じようとする三木を批判した。宮崎たちにとってサミットとは世界経済をめぐる先進国間の政策協調の場だった。東西問題や南北問題を話し合う場ではなかった。

 それでも日本は責任を果たすことができた。宮崎たちの努力の甲斐があった。石油依存度を引き下げる。エネルギーを節約する。産業構造を転換する。これらの重要な政策課題をめぐって、日本は先進国間協調と国益の確保のバランスを保つことができた。

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