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茨城県取手市宮和田にあるJR常磐線の藤代駅から国道6号を西に約2キロ。バイパスと交わる付近の田園地帯は、「小浮気」と書いて「こぶけ」と読む。取手市の大字だ。どのような由来があるのだろうか。
取手市に合併する前の藤代町が編集した「藤代町史」には、以下のように書かれている。
「地名の『ふけ』とは、深田とか沼沢地を意味し、後背湿地である」
湿地だった一帯を、その特色に合わせて「ふけ」と名付けたようだ。同様の由来を持つ地名は、滋賀県守山市の「浮気町(ふけちょう)」にも見ることができる。
取手市はほぼ全域で利根川と小貝川に囲まれており、地の利を生かして古くから稲作が盛んだった。一方で、幾度となく水害に悩まされてきた歴史を持つ。
取手市埋蔵文化財センターの飯島章センター長によると、戦国時代以前は小貝川に堤防はなく、周辺は沼地だった。江戸時代に入ると治水事業が行われて川筋も安定したものの、大雨の際には濁流が田畑や住宅をのみ込んできた。