経済インサイド

シャープ、東芝、三洋電機… リストラや身売りで中国などへの技術流出が止まらない!

 シャープは12、15年にそれぞれ約3000人の人員削減を実施。東芝も1万4000人超の削減を計画しており、配置転換を除いても1万1000人超が会社を離れる見通しだ。もちろん、全員が技術者というわけではないが、特に電機分野において、日本企業で一定規模の受け皿になっているのは日本電産とアイリスオーヤマくらいだ。

 そのうえ、シャープと、東芝の家電事業はアジア企業の傘下に入ることになった。鴻海の郭台銘会長は今年4月のシャープとの合同会見で、「これは買収ではなく投資だ」と、シャープの自主性を重んじる姿勢を示したが、額面通りに受け取る向きは少ない。鴻海は中国本土に研究開発拠点や工場を持っており、シャープの技術が海外で使われる可能性は高い。東芝にしても、中国企業への売却前から国内工場は新潟で炊飯器をつくっているだけだ。

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 最先端の技術をめぐる競争の実態については、当事者以外ではなかなか、うかがい知ることはできない。そんな中で、08年などに米サンディスクの男性社員(当時)が、合弁で半導体事業を行う東芝の研究データを不正に持ち出し、転職先の韓国の半導体大手SKハイニックスに提供したとして、不正競争防止法違反(営業秘密開示)罪に問われた事件は、その一端をかいま見せた。

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