経済インサイド

シャープ、東芝、三洋電機… リストラや身売りで中国などへの技術流出が止まらない!

資本提携の会見を終え、顔を近づけて言葉を交わすシャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の郭台銘会長=4月2日、堺市(門井聡撮影)
資本提携の会見を終え、顔を近づけて言葉を交わすシャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の郭台銘会長=4月2日、堺市(門井聡撮影)

 日本企業からアジア企業への技術流出の懸念が強まっている。電機大手の構造改革で数万人規模のリストラが実施されたほか、シャープが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入り、東芝は中国・美的集団に白物家電事業を売却するなど、家電分野でアジア企業による日本買いが活発化。特許権侵害が疑われる事案や、立件された情報漏洩(ろうえい)もあった。一方で、日本企業の技術的優位性の低下で、以前ほどの魅力はなくなっているとの指摘もある。

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 中国人観光客の爆買いで、「三種の神器」とされるのが、炊飯器、温水洗浄便座、保温ボトルとされる。日本製と中国製との性能の差が大きいことが背景にあるとみられる。

 特に、「炊きムラ」が著しいとされてきた中国製の炊飯器だが、足元で変化が起きているという。味はもちろん、スマートフォンでコメの品種を読み取り、最適温度や炊きあげのタイミングの情報を伝送するという最新機能も搭載している炊飯器が中国・上海で話題になっている。スマホ連動型で比べて、日本製のほぼ半額に相当する999元(約1万6000円)で販売されているという。

 中国の持ち前のコスト競争力はそのままに、性能を上げたこの炊飯器を製品化したのは、スマホメーカー大手の小米科技(シャオミ)だ。創業者の雷軍会長が、コメの味にこだわって2年前に開発を命じたという。

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