都市を生きる建築(62)

110歳過ぎ大胆な若返り…大阪府立中之島図書館

【都市を生きる建築(62)】110歳過ぎ大胆な若返り…大阪府立中之島図書館
【都市を生きる建築(62)】110歳過ぎ大胆な若返り…大阪府立中之島図書館
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 中之島図書館を訪れると、本を探す人、熱心にノートをとる人、そして目を閉じてつい微睡(まどろ)む人など、そこには図書館のありふれた光景がある。しかしその日常が100年以上にわたって重ねられてきたことに思いを馳(は)せれば、それはかけがえのない都市文化の、奇跡の一コマだということに気付かされる。

 中之島図書館は1904(明治37)年に大阪図書館として開館した。前回紹介の中央公会堂と同じく、民間からの寄付で建てられたことはよく知られている。住友家15代当主・住友吉左衛門友純(ともいと)が、近代都市には図書館が必要と考え、建物と蔵書の購入費を提供した。設計は住友に在籍し、1年間の欧米視察を終えて帰国したばかりの野口孫市(まごいち)が担当、西洋建築の学習に専心してきた明治時代の日本の到達点ともいえる、ネオ・クラシック様式の建築を完成させてみせた。1922(大正11)年に野口の部下にあたる日高胖(ゆたか)によって、両翼が増築されて現在の姿に。1974(昭和49)年に重要文化財に指定され、1996(平成8)年に東大阪市に中央図書館が完成した後は、大阪に関する資料や古典籍を扱うとともに、場所柄ビジネス支援サービスを提供して、今も現役の公立図書館として親しまれている。