進化するアニメ

アニメキャラもついにお化粧する時代が来た! 手書きで1枚1枚アイシャドーやチーク施し…『甲鉄城のカバネリ』

アイシャドー、チークも

 ここでいうメイクアップとは、(1)髪に「影」や「ぼかし」を入れ、ツヤを加える(2)目に「ハイライト」や「質感」などを加えることで、目力をアップさせる(3)まぶたに「線」などを加え、「アイシャドー」を入れる(4)「色」や「線」を足し、眉を整える(5)肌の色味を自然な感じに整え、ほのかに「チーク」を入れた感じにする-などの作業を指す。なるほど、確かにこれはお化粧だ。

 ここで、画像を見ていただきたい。メイクアップする前と後では、確かにキャラの表情がより引き立つのが分かると思う。ヒロインの無名や、菖蒲(あやめ)といった女性キャラのほか、主人公の生駒などの男性キャラにもこのメイクを加えているという。

 だが、この作業、かなり大変そうだ。アニメは基本的に、1秒間に24コマを動かすことで「動画」になる。キャラクターの動きを表現する場合は、この24コマのうち通常、8~10枚の絵を書く必要がある。「メイクアップ」の場合も同様で、髪や目の色をペンタブレットやブラシで1枚1枚、手書きで塗らないといけない。3人態勢で作業しても、平均して1日に50枚をこなすのが精いっぱいだという。

よりかわいく、より格好良く

 アニメファンからは、「アニメで『美樹本絵』が再現されている!」と話題の今作。だが、なぜこのように大変な手間をかけてまで、メイクアップするのか。この問いに対し、松本さんは次のように答えた。

 「『新しいことにチャレンジしたい』との思いです。正直、試行錯誤しながらやっていますが、キャラクターを『よりかわいく、格好良い絵にするんだ!』という思いで体当たりで挑んでいます」

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