中国と闘うアジア

違法操業した外国漁船を次々爆破…インドネシアの女傑 スシ海洋・水産相の素顔に迫る

 中国は、ナトゥナ諸島はインドネシアに帰属するとしているが、南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する根拠としている「九段線」の一部と同諸島のEEZが重複している。「インドネシアとの間に領有権問題はない」と繰り返す一方、拿捕された漁船が操業していた海域は「中国の伝統的な漁場だ」と奪還行為を正当化し、根拠不明な「歴史」解釈を繰り返して、行為は密漁にあたらないとの立場を主張。船長らの早期解放も要求している。

 そもそもスシ氏とは何者なのか。シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズ(4月4日付)の特集からは、林業から家具輸出業への事業拡大に成功して地方自治体の首長となり、実行力と人柄で一気に中央政界トップに駆け上がった「庶民派」のジョコ大統領と、非常によく似た経歴と性格が垣間見える。

 スシ氏の実業家としてスタートは1983年、出身地の西ジャワ州パンガンダランの市場で始めた水産物卸業だ。1996年には水産物加工業に事業を拡大し、高品質のロブスターは「スシ・ブランド」として、米国にも輸出された。

 2004年には、シンガポールや香港、日本といった市場に新鮮な商品を届けるため、自ら航空会社を設立。22万人以上が死亡・行方不明となった同年12月のスマトラ沖大地震とインド洋大津波では、被害が集中した北部アチェ州の孤立被災地に、セスナ機で真っ先に物資を輸送したことでも知られる。