島田洋一&加藤達也 特別対談(4)

「大土建屋大統領」目指すトランプ氏 「地球温暖化はない」が米保守派の常識

 加藤「日本から見るとずいぶん乱暴な世界観に見えますが…」

 島田氏「ところが、民主党のほうはオバマ大統領もヒラリー氏、サンダース氏も温暖化信者なので、要するに人間の産業活動によるCO2排出が温暖化をもたらしていて、オバマ氏なんかははっきり『気候変動が人類に対する最大の脅威』という言い方をしていて、共和党のほうから『中国やIS(イスラム国)の脅威は見えないのか』という批判を浴びています。このエネルギー問題は民主、共和の立場が全然違うので、大きな争点ですね」

 加藤「共和党の地球温暖化に対する事実認識はすごいものがありますね」

 島田氏「彼らはこの10年の平均気温を見ているとむしろ下がっているといっています。例えば去年なんかは、平均気温が過去最大レベルに高かったことを共和党も認めているのですが、去年でいうと火星や金星の表面温度も高かった。だから太陽系全体の現象なんだというわけですよね。温暖化したり冷却化したりとか地球はいろいろなリズムで動いていて、人間の活動によって温暖化を生じているという傲慢な発想はないというのが共和党の主流意見です。だから、京都議定書なんて米議会は圧倒的多数反対で批准しませんでした」

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