島田氏「アメリカは財政的に厳しい。特に、軍事費をこれだけ海外で使っていたらインフラ整備に回せる金はなくなる。だから彼はアメリカが同盟国を守るために抑止力を提供するのはいいにしても、金は同盟国に全部払わせろという。その浮いたお金を土建事業につぎこみたいという発想です。それ以外のいろんな社会問題とか、彼は関心ないです」
加藤「ないのですか!? まったく?」
島田氏「ええ。まったくないです。彼が、なぜ共和党から出たかというと、民主党は環境保護派が多いので、不動産事業と開発事業ができない。共和党は大きな開発事業をやりましょうというスタンスです。だから彼は共和党から出て大統領にならないと大土建事業はできない。だから最近では共和党員の支持を得るために、いろいろな社会問題で保守寄りなことを言い出しています。彼にとってはそれはどうでもいいんです。そういう人だと思います」
加藤「土建的発想の国家改造をやって、経済を立て直していくということを主軸にしているわけですね。確かに内政的にはそれでいいかもしれませんが、アメリカというのは世界各地で油田や市場、軍事基地や経済インフラなどなど、さまざまな権益を持っていて、それを守るには軍事力や経済力を含め、安全保障的な裏付けが必要なわけですよね。トランプ氏の『アメリカの安保ただ乗りは許さないぞ』という論は分かるのですが、世界に存在する権益や、民主主義、自由主義というアメリカの発展を担保している価値観など、そういうものの守護者という役割、それを実現、維持するための世界観に関わる政策についてはどういうことをいっているのですか」