島田洋一&加藤達也 特別対談(4)

「大土建屋大統領」目指すトランプ氏 「地球温暖化はない」が米保守派の常識

島田洋一・福井県立大教授
島田洋一・福井県立大教授

 本紙社会部の加藤達也編集委員と福井県立大の島田洋一教授の対談。4回目は米大統領選がテーマ。共和党の候補者選びで躍進するトランプ氏論から、大統領選の隠れたテーマまでを語り尽くした。

 加藤「大統領選に出ているトランプ氏ですが、トランプ論をちょっとお伺いしたい。彼はどういう人物ですか」

 島田氏「彼は『不動産王』という言い方をされますが、父親は公務員住宅や海軍の住宅などをつくっていた中堅デベロッパーなんです。ただ、彼がやりたいのは要するに、大インフラ整備大統領になりたいということです。田中角栄の『日本列島改造論』というのがありましたが、アメリカを改造するんだと。彼の願望は、フランクリン・ルーズベルトがニューディールをやって、テネシーダムがルーズベルトの遺産ということになっていますよね。アメリカ全土に『トランプ橋』とか『トランプハイウェイ』とか『トランプ鉄道』をつくって、それを遺産にしたいという願望がある。それをそのまま著書の中にも書いています。そういうスケールの大きい土建事業を効率よく、労働組合や環境保護派とかとうまく戦いながら進めていくのには特殊なノウハウがいるが、結果を出してきたのは俺だけだといっています」

 加藤「となると、先立つものが重要ですが、まさか国土開発の土建事業に自腹を切るわけではないでしょうね」

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