安倍政権考

保育士の給与増はたかが6000円されど6000円…「保育園落ちた」ブログ受け民主党政権も先送りにした難題に挑む

 今回の保育士と介護職員の処遇改善に必要な計2000億円規模の財源は、当初予算の見積もりを超えた税収の底上げ分を「アベノミクスの成果による安定財源」と位置付けて活用する方向で調整している。28年度からの財政健全化計画では、社会保障費の伸びを向こう3年間の合計で約1兆5000億円に抑えることを決めているが、今回の保育士と介護職員の処遇改善を恒久的な制度とするため、約2000億円の関連予算を財政健全化計画で抑制する社会保障費とは別枠とする見通しだ。

 一方、保育関係者の間からは「月6000円アップでは問題解決につながらない」といった不満も少なくない。たった6000円ほどの賃上げでは、他の割のいい職業から保育士に人が流れてこないというのだ。

 最大4万円程度の上乗せ分についても、政府高官は「保育士の3割くらいには行き渡らせたい」と語るが、具体的な制度設計はこれから。安倍首相が表明した「競合他産業との賃金差の解消」が多くの保育士に実感できるものとなるかは定かではない。

 ただ、保育士給与の2%増は、民主党政権下で決定された社会保障・税一体改革の計画で消費税増税以外の財源を確保して実行するとされたもの。民主党政権は財源を見つけられず、続く安倍政権でも、ここまでずっと先送りされてきた難題だった。

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