東住吉女児焼死再審

「虚偽自白懸念していた」悔やむ元裁判官

 青木恵子さんが追い詰められた要因の一つに、勾留場所の問題が指摘されている。平成7年9月に逮捕された青木さんは送検後に一時、大阪拘置所に勾留されたが検察側の不服申し立てを受けてすぐに大阪府警東住吉署に移され、そこで2回目の自白に至った。

 警察署の留置場への勾留は「自白の強要を招く」と弁護士などから批判が強いが、裁判所は多くの事件でこれを認めている。むしろ青木さんの場合、最初の勾留先が大阪拘置所とされたことが異例だった。

 「捜査機関と切り離した環境で取り調べをしなければ、虚偽自白を生みかねないと考えた」

 当時、大阪地裁の裁判官として拘置所での勾留決定を出したのが伊元啓弁護士(兵庫県弁護士会)だった。「放火は証拠のたぐいが焼失するため、捜査は自白とその裏付けの繰り返しになる」。留置場に勾留して取り調べが厳しくなり過ぎることを懸念したのだ。

 しかし、伊元氏の決定は検察側の準抗告を受け、別の3人の裁判官により取り消された。青木さんは2日で東住吉署に移された。

 青木さんの再審公判について、伊元氏は「将来的に無罪になる人の勾留を認めたのは私。今も責任を感じている」と話した。

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