極東の土地「分与法」成立 露大統領が署名、北方四島にも適用へ 移住促進、実効支配を強化

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領は3日までに、極東地域の振興策として国民に土地を無償で分与する法案に署名し、同法は成立した。露政府は北方領土にも新法を適用する方針で、現地での人口増加などを通じ、ロシアによる北方四島の実効支配がいっそう強まるのは必至だ。6日には安倍晋三首相の非公式訪露が予定されており、日本政府の対応が注視される。

 新法は、極東への移住促進などを目的に、国や自治体に属している遊休地を、希望者に1ヘクタールずつ無償貸与する内容。土地が申請通りに使われていれば、5年後に私有財産にしたり、借用を続けたりすることができる。政府高官は、北方領土を事実上管轄するサハリン(樺太)州でも「例外なく運用される」としている。

 土地貸与は6月から一部地域で試行され、10月からは極東の地元住民から優先的に希望者を募る。来年2月には全国の国民に対象を広げる。貸与されるのは主に都市部から離れた僻地(へきち)となる見通し。ただ、北方四島については、ロシアの領有権を主張する勢力による意図的な土地取得が行われ、領土交渉が複雑化する恐れが指摘されている。