薬価危機-迫られる選択(1)

「1剤が国を滅ぼす」高額がん治療薬の衝撃 年齢制限求む医師に「政権がもたない」

 「北海道肺がん患者と家族の会」代表の野村玲子さん(68)=札幌市=は自らも肺がん患者として、患者や家族の相談にのる。

 つい最近も、オプジーボの投与を受けたらがんが消えたという患者家族から報告を受けた。しかし、「オプジーボが効く患者さんは予想以上に少ないかもしれない」と不安も感じる。

 患者の最大の関心は、この薬が自分に効くかどうか。オプジーボは高額だが、「命をかけて戦っている患者に、価格の話は切なくてとてもできない」。

 日本肺癌学会理事長で近畿大医学部の光冨徹哉教授=呼吸器外科=は「期待は大きいが、皆に効く薬ではない。経験したことがないような副作用があり、場合により致死的なこと、非常に高価であることなどから、適正使用を推進していくのは学会の使命だ」と語る。

 だが、効果の有無が事前に分からない以上、オプジーボに望みを託す患者を選別することは難しい。その薬価は、患者すべての期待に応えるにはあまりに高額だ。

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