GWは千葉で

鋸山の石切物語(上)-日本の近代化支えた房州石 歴史残る登山道

【GWは千葉で】鋸山の石切物語(上)-日本の近代化支えた房州石 歴史残る登山道
【GWは千葉で】鋸山の石切物語(上)-日本の近代化支えた房州石 歴史残る登山道
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 都道府県別で最高標高点が最も低い千葉県で、独特の存在感を放つ鋸山(鋸南町、富津市)。そそりたつ岩々は圧巻で、周辺一帯は昭和60年ごろまで、上質な「房州石」の石切場として、日本の近代化をインフラや建築面で幅広く支えてきた歴史を持つ。観光面でも、鋸山は近年人気が上がっている。

 房州石は軟らかくて火に強い特徴があり、東京の台場(砲台)や、埼玉県の草加煎餅の窯といった実用的な用途で使われていることが確認されているほか、県内外の建築物で見つかっており、学術的に注目が集まっている。千葉県立中央博物館(千葉市中央区)では、房州石に注目した企画展が開催中だ。

女性が石を運ぶ

 4月の晴れた暖かい日、父が石切業を営んでいたという金谷美術館館長の鈴木裕士さん(55)に鋸山を案内してもらった。

 現在、山頂付近に行くには、主に3つの山道がある。往路は「車力道コース」を選んだ。かつて切り出した石を、女性が荷車で運んでいた道を元に整備されたという。

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