日本列島災害実録

英船ノルマントン号の沈没(上)白人船長らはなぜ日本人乗客25人を見捨てたのか…

2日付では、生存者に取材ができている。

「横浜を出発した際、まだ積載する余裕があったため不幸にも23人(後に25人と判明)の日本人(うち女子3人)を乗船させた。翌日午後7時半ごろ、『面舵(おもかじ=右旋回)を転ぜよ』という大声を聞いた。降雨が甚だしく四方は暗黒、波は嵐のようだった。そして何物かに衝突したとみえる大きな音が2度続いた。直ちに鉛を下ろして船の深さを探ると、15尋(約27メートル)と底なしの状態だった。つまり、船が切石のような暗礁の頂上に乗り上げた格好であることが分かった」

「その後、船体は岩礁から脱したが、船腹の急所ともいえる場所を傷つけられており、速力を早めたが、さらに損傷箇所から海水が流れ込んでおり、乗組員ははしけに頼るよりほかない。幸い、船中にははしけの準備も十分あり、みんな狼狽することもなかった。しかし、乗組員には日本語ができるものはおらず、乗客の日本人にそのことを伝えられずにむざむざ多数の人名を失ったのは返す返す遺憾だ」

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