阿比留瑠比の極言御免

反権力がマスコミの本分なのか 岸井成格氏らが「真実を伝え、権力を監視する姿勢を貫く」と豪語する違和感

 3人もの現職首相のクビを飛ばしたというのが事実であれば、それはどれほど大きな権力だろうか。その国政と社会への影響力は計り知れない。ならば、巨大な権力者そのものである田原氏らは、自分たち自身をも監視対象に置かなければならない理屈となろう。

真実はどこにある

 米国のジャーナリズム界の長老と呼ばれ、20世紀最高のジャーナリストとたたえられたリップマンは、「ジャーナリストは自分が主観的なレンズを通して世の中を見ていることを知っている」と指摘し、その要求される仕事について次のように記している。

 「人びとの意見形成のもととなるいわゆる真実といわれるものが不確実な性格のものであることを人びとに納得させること、(中略)政治家たちをつっついてもっと目に見えるような諸制度を確立させること」

 少なくとも「真実はわれにあり」とばかりの上から目線で権力を監視することや、とにかく反権力の姿勢をとることがジャーナリズムの本分だとは思えない。(論説委員兼政治部編集委員)