パナマ文書の衝撃

租税回避地は「必要悪」? パナマは「劣等生」

 【ニューヨーク 松浦肇】中米パナマの法律事務所から流出した顧客資料「パナマ文書」の問題で、欧州を中心にタックスヘイブン(租税回避地)への批判が強まっている。ただ、米国人の大物が今のところリストに登場していないこともあり、米国内ではやや盛り上がりに欠ける。温度差の理由を探ると、「経済」と「歴史」に突き当たり、租税回避地は「必要悪」との見方も聞かれる。

 法曹教育で知られるニューヨークの米法務協会(PLI)が20日、パナマ文書に関する勉強会を実施した。激務の弁護士を相手にするPLIでは通例、年初に年間予定を組むのだが、パナマ文書が世界的に話題になっているため、関連の勉強会を急遽(きゅうきょ)組んだ。

 論点としては、政治化した背景、ハッカー対策、メディアに顧客情報が漏れた場合の対応など。資本を呼び込むために非課税または低税率を導入している租税回避地に対する否定的なコメントは聞かれなかった。

 中世に禁止されていた教会への不動産贈与や遠征した十字軍の兵士が生前贈与する手段として、非課税の信託が考案されたのが、租税回避の発祥である。こうした節税を売り物とする国や地域が台頭したのは20世紀のことだ。

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