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11月20日付で宝塚歌劇団を退団することを発表した星組トップスター、北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんが27日、大阪市内で会見した。「自分が輝けるのは3作だと。一番大きかったのは、次の人のため」などと退団を決意した経緯などを語った。(橋本奈実)
白色のパンツスーツに身を包み、現れた北翔さんは「(宝塚音楽学校から)21年間の宝塚人生、たくさんの出会いがあり、悔いなくやるべきことをしてきた。おなかいっぱい、大満足の気持ちで卒業できます」と満面の笑みで、充実感タップリに切り出した。
平成10年に初舞台を踏み、月組に配属され、宙組への組替えを経て、24年に専科へ異動。昨年5月、専科から柚希礼音(ゆずき・れおん)からバトンを受け、星組トップスターに。この就任時から、大劇場公演3作、1年半での退団を決めていたという。
「自分が輝けるのは3作だと。一番大きかったのは、次の人のため、という気持ちです。これから宝塚を背負う人たちに、たくさんのチャンスが訪れてほしいから」。入団18年目で悲願のトップ就任を果たした苦労人は、真っ先に、後進のことを考えていた。
組のメンバーには、25日の兵庫・宝塚大劇場公演の千秋楽後に報告。「急すぎてみんなビックリしていた。反応もそれぞれでした」と話した。
卓越した歌唱力をはじめ、芝居、ダンス、そしてトークも達者な、誰もが認める実力派のトップ。が、トップまでの道のりは順風満帆ではなかった。宝塚音楽学校入学時は「成績は(ほぼ)最下位。芸事はやればやっただけ結果が出ると分かったから」専科時代は、トップへの思いを心に抱きつつも、「舞台人として、舞台にかける姿勢を学んだ。大切な時期だったと思う」と振り返る。