熊本地震

エコノミークラス症候群8割が女性…家族の世話、トイレ敬遠で水分不足「負担軽減を」と専門家

避難所を転々とする人が出ている南阿蘇村の立野地区の被災者。車ですごすことが多くなっている災者=22日午後、熊本県南阿蘇村
避難所を転々とする人が出ている南阿蘇村の立野地区の被災者。車ですごすことが多くなっている災者=22日午後、熊本県南阿蘇村

 熊本地震の避難者に罹患が相次ぐエコノミークラス症候群の重症患者の約8割を女性が占めていることが26日、熊本県への取材で分かった。不衛生なトイレを敬遠し水分補給が不足することや、家族の世話を一身に負うなど「我慢」する時間が増えることが原因とみられ、専門家は女性への支援を呼びかけている。

 県によると、25日の時点で県内の主要医療機関で入院が必要と診断された同症候群の重症患者は37人で、うち女性は29人(78%)。年齢別では65歳未満が14人、65歳以上が23人。

 平成16年の新潟県中越地震や23年の東日本大震災でも避難所で診察した新潟大講師の榛沢(はんざわ)和彦医師(血管外科)は「女性患者や65歳未満の割合が平常時よりも高い」と指摘。榛沢氏によると、一般的に女性はホルモンの関係で同症候群を発症しやすいが、通常は男性の1・5倍程度。重症患者の8割を女性が占める状況は「災害時に女性のリスクが高まることを示している」と分析する。

 原因として、同症候群の引き金となる疲労やストレスの蓄積につながる女性特有の苦労が、避難所暮らしにはあるという。女性は仮設トイレの利用を避けようと水分補給を控え、水分不足になりがちだ。また、40~50代の女性は高齢者や子供の世話を一身に引き受けているケースが少なくない。

 熊本県は予防策として、妊婦や、車中泊が2泊以上続くハイリスクな避難者に対し検査や、足を締め付けて血行をよくするストッキングの配布などの対策を講じているほか、適度な運動や水分補給が重要だとしている。榛沢氏は特に女性について「高齢者や子供の世話をボランティアが手伝うなど、負担を軽減するケアが必要」と訴えている。