秘録金正日(73)

後見人、張成沢処刑の真相 正恩「地球上から痕跡なくせ」 最期に「わずかな時間でいい。妻に会わせて…」

 金正日(キム・ジョンイル)が息子に残した後継体制は、「守護役」の一角を担った李英浩(リ・ヨンホ)の失脚で崩れ始める。

 突如、英浩が逮捕され、朝鮮人民軍総参謀長を解任されたのは2012年7月、「宗派(派閥)形成」や「浮華堕落」が罪状に挙げられた。麻薬取引に絡む収賄の発覚が金正恩(ジョンウン)の怒りを買ったとされた。だが、真相は、正恩の叔父で朝鮮労働党行政部長の張成沢(チャン・ソンテク)が推進した外貨稼ぎ部門の再編に反対したからだ。

 元党幹部の尹容淳(ユン・ヨンスン、=仮名)によれば、「張成沢は絶えず、軍に外貨稼ぎ会社を内閣に渡せと圧力をかけた。真っ先に抵抗したのが人民武力部長を務めた金永春(ヨンチュン)や李英浩たちだった」。

 英浩は、軍歴のない成沢が大将の肩章を着け、軍部の財源に手を伸ばそうとしていることに反感をむき出しにしていた。「私が着けた(肩章の)星は、彼のクソ色の星とは違う」と周囲に漏らしていたという。

漏れた中国国家主席との“密談”

 張成沢は、李英浩を排除するとともに、経済立て直しに全力を傾ける。企業や農民が生産物の一部を自由に扱えるようにした「6・28措置」や、民間が蓄えた外貨をはき出させるため、住宅売買を合法化する措置を取る。

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