三菱自動車の燃費データ不正問題で、同社に開発部門とは別の品質検査部門があったにもかかわらず、燃費試験用データをめぐる不正をチェックできなかったことが25日、関係者の話で分かった。両部門で品質検査のダブルチェック体制を敷いていたが、どちらも機能しなかった格好だ。
関係者によると、三菱自動車では、新型車開発時の機能調整は開発本部内の性能実験部で行うが、品質検査は同本部内の別の部と、品質を確認する別の本部内でそれぞれ実施している。
同社は、燃費試験用データの測定を道路運送車両法とは異なる方法で実施した上で、燃費を良く見せかけるために不正に操作していた。しかし両本部ともに発見できておらず、同社のコンプライアンス(法令順守)の低さが浮き彫りになった。
同社のデータ測定方法は、米国の法令で定められた方法をアレンジしたもので、社内評価用にも使用している。対象は、平成14年以降に国土交通省に登録され、国内で生産・販売された27車種にのぼり、販売台数は200万台を超える。
国内の多くの軽自動車メーカーでも、不正防止策として同様に開発部門と品質検査部門を分離。マツダやホンダなどでも別部門とし、独立性を担保しているという。各社は国交省から、同様の不正がないかを5月18日までに報告するよう指示されており、確認作業を進めている。一方、三菱自動車は26日にも国交省に改めてデータ不正の詳細などについて報告する方針だ。