夏の参院選の前哨戦とも位置付けられた衆院北海道5区、京都3区の両補欠選挙は、自民党と民進党が1議席ずつ分け合う結果となった。
その内実はどうか。京都では自民党前職が不祥事で議席を返上し、不戦敗を余儀なくされた。
北海道は死去した議員の「弔い合戦」だ。勝って当たり前の戦いでありながら、谷垣禎一幹事長ら党幹部が相次いで現地入りするなど総力戦を強いられた。
国会での「1強多弱」とは、かなり様相が異なる結果となったことについて、自民党は重く受け止める必要があろう。党内に緩みやおごりがないか、責任政党として常に謙虚な姿勢で国政にあたるべきことを忘れてはなるまい。
典型的ともいえる課題は、「政治とカネ」の問題に誠実に向き合うことである。
安倍晋三政権下では閣僚による「政治とカネ」の問題が続発した。「口利き」疑惑が発覚した甘利明前経済再生担当相は、いまだに説明責任を果たしていない。自民党も国会での解明作業に後ろ向きなままだ。