森鴎外記念館 妹、妻、娘2人の「文学」に焦点

 4人のうち、最も文学活動が知られていないのが志げだ。鴎外が「美術品ラシキ妻」と記すほどの美人だったが、小説『半日』で嫁姑の確執やわがままぶりを描いたことで、世間から悪妻の代表として受け止められた。志げは風評に対抗するように明治42年、文芸誌スバルに小説『波瀾』を発表、新婚生活での避妊に関する葛藤を題材にした。続いて、前夫との結婚生活を描いた『あだ花』など、当時としては大胆に女性の性を扱い、3年間で20作品余を残した。

 監修を手がけた早稲田大の金井景子教授(日本文学)は「直接的な情景描写が志げの作風であり現代的な新しさがある。『美』への愛着と精細な叙述、内面の表現など4人の中で最も作家的作家といえる」と話す。

 6月26日まで。(電)03・3824・5511。(村島有紀)