政界徒然草

要注意! ヘイトスピーチ法案は羊の皮を被った人権擁護法案だ 成立急ぐ民進党の邪な思惑とは…

「竹島の日」を前に国旗などを掲げ「日韓断交」を訴える市民団体のデモと、「ヘイトスピーチやめろ」などと叫ぶデモ反対側。双方が「大阪市に相手のヘイトスピーチを訴える」と叫ぶなか、大勢の警察官が警戒していた=2月21日、大阪市内
「竹島の日」を前に国旗などを掲げ「日韓断交」を訴える市民団体のデモと、「ヘイトスピーチやめろ」などと叫ぶデモ反対側。双方が「大阪市に相手のヘイトスピーチを訴える」と叫ぶなか、大勢の警察官が警戒していた=2月21日、大阪市内

 特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチの防止に向けた与野党の法案協議が始まった。旧民主党などが昨年の通常国会に提出した人種差別撤廃施策推進法案(ヘイトスピーチ禁止法案)の審議加速を求め続けてきた民進党に自民、公明両党が折れた格好だが、政府が成立を急ぐ刑事訴訟法改正案の審議を「人質」にとってまで民進党が狙ったのは、「ヘイトスピーチをなくしたい」という純粋な思いだけではなさそうだ。

 「朝鮮人は日本から出て行け!」「一人残らずたたき出せ!」

 こうした民族差別をあおる暴言は決して許されるものではないが、差別語を拡声器で叫びながらデモ行進を繰り広げる団体は実際にいる。訪日外国人旅行者が年間2000万人近くに上り、2020年に東京五輪・パラリンピックを控える日本にとって、ヘイトスピーチ対策は何とかすべき課題だ。国連の人種差別撤廃委員会も2014年8月に、日本政府に対し改善を勧告している。

 ただ、自民党内は「一歩間違えれば『表現の自由』を縛ることになりかねない」との懸念が根強く、対応は鈍かった。そこで、議員立法で社民党などと禁止法案を昨年、参院に提出したのが当時の民主党だった。

 法案は、特定の人種や民族などを差別する言動を禁じるものだが、罰則はない。政府が差別防止に向けた基本方針を作り、首相が任命した有識者による審議会を内閣府に設ける規定も盛り込んでいる。

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