世界一貧しい大統領インタビュー

「富を求めるよりも人生には大切なことがある」「広島へ行くのは日本人へのリスペクトです」…

 〈質疑応答を自ら打ち切るが、退場したりはせず、記者たちの名刺を受け取ったりニコニコと握手に応じたりする。記者も名刺を渡しつつ〉

--ムヒカさん、幸せに生きるコツはなんですか

 「モチベーション(目的意識)を持つことです」

 〈ホセ・ムヒカさん〉ウルグアイの首都モンテビデオ郊外の貧困家庭に生まれた。1960年代に、当時の独裁政権と対立する非合法政治組織に加わり、投獄4回。最後の獄中生活は13年にも及んだ。その後政治活動を再開し、議会入り。2010~15年、第40代ウルグアイ大統領を務めた。妻のルシア・トポランスキさんも政治家(上院議員)。

 ムヒカさんを有名にしたのは12年に開かれた「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」でのスピーチだった。〈貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことです〉。給料の大半を寄付して農場に暮らす清貧ぶりも加わって世界に知られるように。スピーチを日本語訳して児童向けに紹介した絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)は23万3000部のヒット作となっている。来日は『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』(角川文庫)の刊行に合わせて実現した。

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