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先ごろ初来日した南米ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさん(80)は、敬意を込めて「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれている。その人柄が日本でも共感を集め、関連書籍は飛ぶように売れている。約1週間の滞在は私的訪問だったにもかかわらず、各地を訪ねた様子がテレビ番組などで紹介された。4月6日に東京都内で開かれた記者会見と合同インタビューで語られたムヒカさんの言葉を、一問一答スタイルで詳報する。(篠原知存)
〈記者会見は、東京都千代田区のKADOKAWA富士見ビルに約100人の報道陣を集めて行われた。登壇したのはムヒカ氏と夫人のルシア・トポランスキさん、それに『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』(角川文庫)の著者、エルネスト・トゥルボヴィッツさんとアンドレス・ダンサさんの4人。司会者から来日についての言葉をうながされて、ムヒカさんは話し始めた〉
「私はもうすぐ81歳になります(1935年5月20日生まれ)。単に観光目的で、長旅をしようなんて思いません。ここに来たのは日本から学びたいと思ったからです。日本でしてみたい質問がたくさんあります。人類はどこに向かっていくのでしょう。世界の将来はどこに向かっていくのでしょう。日本は、世界でも非常に優れた工業先進国です。ですからこそ、そうした質問をしてみたい。どんな世界を夢見ているのか、それを考えずして私たちに未来はないのでは」
--本には世界中の指導者と会談したエピソードが紹介されていますが、特に印象に残っている会談は
「私はかなり年齢を経てきました。背負ったリュックのなかにたくさんの思い出が詰まっている。有名な人物とたくさん会ってきたが、1つを選ぶのはとても難しい。