注目の裁判

末期がん患者が最後にすがった大麻は違法か? 劇的改善の被告が「命守るため」と無罪主張 司法の判断は…

 大麻をめぐっては、近年では従来指摘されてきたほどの危険性はなく、たばこやアルコールに比べても日常生活や健康への悪影響は小さいとする研究成果が欧米などで報告されている。一方で、がん治療などへの有用性も確立されたデータは存在しておらず、国際的な専門機関でも統一的な見解がないのが現状だ。

 厚労省がホームページで翻訳・公開している世界保健機関(WHO)のリポート「大麻 健康上の観点と研究課題」(1997年)は「大麻に関する疫学的研究と応用研究が明らかに必要だ。大麻使用の健康面の影響、慢性的悪影響、医療用大麻の有効性に関する知識に重要な欠落がある」と指摘。

 国際麻薬統制委員会(INCB)は2009年年次報告で「数年にわたり大麻の医療的な有効性に関する科学的研究が複数の国で行われてきた。当委員会は、大麻の医療的な有効性に関する健全な科学的研究が実施されることを歓迎する」と検証を進めるべきだとする立場を示した。

 一方、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の「世界薬物報告書」(2006年)では「最新の調査で大麻は精神に深刻な影響を及ぼすことが明らかになった。大麻は無害な薬草ではなく、慎重な取り扱いが必要な人間の精神に影響を及ぼす薬物である」と述べる一方で、影響の度合いについては「大麻を極めて大量に服用すると、軽い精神障害を引き起こすが、このような状況は極めてまれであることが判明した」とも指摘している。