経済インサイド

担当記者さえ解釈に迷う「日銀文学」を読み解く 「基調としては」「弱含んでいる」が意味するものは?

 企業が投資や賃上げにお金を回し、家計の所得が増え、消費に結びつく-という景気の好循環メカニズムは保たれているが、輸出・生産面で弱めの数字が出たのは事実なので、単純に「緩やかな回復を続けている」と書くと、エコノミストから「日銀は見通しが甘い」と突っ込まれてしまう。このため、「基調としては」という言葉を入れたという。

なぜ、全国の景気判断では「改善」か「悪化」か示さない?

 では、決定会合の声明文では、なぜ景気は良くなったか、悪くなったかを明確に示さないのか。

 「現時点が景気の拡大局面なのか後退局面なのか、あるいは拡大局面の一時的なつまずきなのか、精査しにくいからだ」

 関係者はこう説明する。3月の決定会合の段階で「景気後退局面に入ったとは明確に判断しにくい。このため、上方修正とか下方修正とか日銀からは申し上げないが、メディアがどう判断するかは自由だ」というのだ。

 決定会合の声明や年4回公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)は日銀のエコノミストが細部にこだわって書き上げる。

 幹部も「全文をきちんと読んだうえで判断していただくのが望ましい」と力説する。

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