撮影前、マクアダムスはサーシャ本人に会った。
「彼女は思いやりあふれる優秀な聞き手だった。人の話を聞くとき、自分の感情はひとまず横に置いて、相手に感情を自由に表現させるの。そして、興味津々の様子で聞き入る。非常に参考になったわ」
記者たちはヒーローとしては描かれていない。当初、取材に消極的だった彼らを動かしたのは、外部から着任した編集局長・バロン(リーブ・シュレイバー)の強い指示だ。また、チームの一人がこの事件をめぐって、過去に大きな間違いを犯していたことも明らかになる。取材活動は彼らにとって罪を償うことでもあった。
「私たちは、いとも簡単に共犯者になってしまうし、どれほど聡明(そうめい)な人でもミスは犯してしまう。これはこの作品の大きなテーマであり、私も強く興味をひかれた点だわ」
記者たちの地道な取材活動によって事実が積み重ねられ次第に教会の暗部が明らかになっていく。キートンやラファロの滋味あふれる演技が素晴らしい。
「2人がこの作品にかける情熱はスクリーンからもあふれ出ていると思う。人間的にも、とても温かい人たち。それに2人は、バットマン(キートン)と(『アベンジャーズ』の)ハルク(ラファロ)のスーパーヒーロー。ご一緒できて楽しかった」と笑った。