熊本地震とオスプレイ 九州総局長が読む

「中国刺激」の懐疑的論調はいかがなものか 日米で被災者支援に活躍望む 佐賀県に配備されていれば違った展開も

 陸上自衛隊とも平成26年12月、熊本市を本拠とする第8師団とオスプレイを使った合同演習を実施、呼吸はぴったりだ。

 熊本県の八代湾沖に停泊中の海自の大型護衛艦「ひゅうが」に着艦させ、給油や物資搬入に使うというから、何ともダイナミックな救援活動ではないか。今回も人員、物資輸送での活躍が期待される。加えて、日米同盟を目に見える形で具体化する効果は計り知れない。

 残念なのは、オスプレイの佐賀空港(佐賀市川副町)の配備が遅々として進まないことだ。

 防衛省は26年、南西諸島防衛や離島の多い九州・沖縄の災害救助や急患輸送などを目的に、オスプレイの佐賀空港配備を表明していた。

 佐賀県が地元関係者の顔色をうかがい、態度をあいまいにしているその時、大地震が熊本を襲った。米軍のオスプレイが佐賀空港を訓練拠点化していれば、救援活動のあり方もまた、さらに充実したものになった可能性がある。佐賀県はその辺りのことを、しっかり見つめ直すべきだ。

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