「水がなくなる!」 自衛隊がピストン輸送で熊本赤十字病院危機救う

水不足に陥った熊本赤十字病院の浄水槽に水を運ぶ自衛隊員ら=熊本市東区
水不足に陥った熊本赤十字病院の浄水槽に水を運ぶ自衛隊員ら=熊本市東区

 熊本地震による断水で深刻な水不足に陥った熊本赤十字病院(熊本市東区)が、陸上自衛隊と航空自衛隊による24時間態勢での水供給でピンチを切り抜けた。病院幹部は「災害拠点病院である当院が倒れれば、地域医療がドミノ倒しのように倒れてしまう。これからも自衛隊と協力し、踏ん張りたい」と語った。

 熊本赤十字病院は、大規模災害時に県内の医療拠点となる災害拠点病院(基幹災害医療センター)に指定されている。

 日量100~150トンの水を使用しており、災害時用として敷地内の浄水槽に3日分約350トンの水を備蓄している。14日の地震発生後、熊本市内は各地で断水した。備蓄水を使用したが、17日の時点で残り27%にまで減少した。

 「このままでは間もなく、底をついてしまう」

 病院関係者に不安が膨らんだ。18日夜、調査に訪れた厚生労働省のチームに、差し迫った危機を訴えた。厚労省を通じて要請を受けた自衛隊が、即座に動いた。

 陸自第24普通科連隊(宮崎県)の36人、空自の第5航空団(同県)など4部隊46人が、それぞれ給水車とともに、熊本へ向かった。

 日付がかわった19日午前2時20分から給水活動が始まった。陸自の北熊本駐屯地など、市内3カ所の水源地から同病院まで、夜を徹して水をピストン搬送した。

 自衛隊とはいえ、給水車の容量は1~5トンしかない。

 「コップで風呂浴槽を満タンにするような給水活動」(陸自広報担当者)が続く。19日は計223トンの水を運んだ。

 20日午後3時現在の貯水量は約1・5日分にまで回復したという。

 副院長の中島伸一氏は「懸命の活動で、診療中止に追い込まれることもなく、多くの命を救うことができた。給水活動に従事してくれた自衛隊関係者に心から感謝したい」と語った。

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